JUNK HEAD 「ほぼ一人」で「独学」で「制作7年」のカオス作品

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観ましたか?
私は遅らせながら、期待せずなんとなくで観たのですが・・・

「 JUNK HEAD 」とは

【引用】Amazon Prime Video twitter ▶https://t.co/37o0e71uqu #JUNKHEAD https://t.co/7O1nN54SYU」 / Twitter 

「JUNK HEAD(ジャンク・ヘッド)」とは堀貴秀(1971年~)監督のストップモーション・アニメーション映画。
上映時間は99分。
2017年にファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞し、「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督からも絶賛され、その4年後に逆輸入という形で2021年に日本で公開されました。

堀 貴秀 監督 「ほぼ一人」「独学」「制作7年」

堀監督の本職はなんと内装業。
それまでは彫刻・絵画・人形を作ったりなどの芸術活動をしていたようですが、映像作りの知識や経験は全くありませんでした。
2002年に、新海誠監督が初の劇場公開作品である「ほしのこえ」を7か月かけて自主制作したことをきっかけに、堀監督は自分もやろうと思い(笑)映画制作を開始したそうです。

全て独学で、監督・原案・キャラクターデザイン・編集・撮影・照明・音楽・絵コンテ・造形・アニメーター・効果音・VFX・声優などをほぼ一人でこなし、7年という歳月をかけて完成させました。
しかもセット・キャラクターフィギュアは全て手作り。総コマ数約14万。
もはや、狂気の沙汰です。

あらすじ

地上は汚染され住むことができなくなった人類は、地下開発を目指すための労働力として人工生命体「マリガン」を創り出す。
自我に目覚めた「マリガン」は、自らクローンを増やし人類に反乱を起こし地下を占領してしまう。
その後、遺伝子操作により人類は不老不死になったが、その代償として生殖機能を失う。
そんな中、新種のウイルスによって絶滅危機に陥った人類。
人類存続の道を探るため、独自の進化を遂げた「マリガン」の調査を開始する。
主人公は地下調査員として、広大な地下の探索と「マリガン」との冒険がスタートする。

見どころ

荒廃したディストピアの世界に、オアシスのような存在である多種多様なキャラクターたち。
人工生命体である「マリガン」は、良くも悪くも人間味あふれた非常に魅力的なキャラクターたちが多く、
そのやり取りはヒューマンドラマを観ているようです。

妙にリアルでグロテスクな造形のキャラクターもいて、広い世界感を感じます。
見た目とは裏腹にあふれる人間味は、しっかりとした細かいキャラクター設定によるものと思います。
華やかな色彩などなく無機質なディストピアに、色よりも濃いキャラクターたちの存在が奇妙でもあり引き込まれます。

ちなみに最後の「ジャンクヘッド」とタイトルコールしているのも堀監督です。

3バカ兄弟「FRESH PEACH」

ちなみに私が好きなキャラクターは「3バカ兄弟」なんですが、その「3バカ兄弟」のスピンオフ短編作品がありました。
2021年12月26日 NHK Eテレ「BUZZ CREATORS『映画監督 堀 貴秀 たった一人の映像革命』」内でオンエアされたものです。
前半は制作過程の様子も観ることができます。

狂気的でほのぼのとした世界観

とても奇妙で現実的であり非現実的でもある、まるで中毒のような映画でした。
あまりにも不気味で気持ち悪く、あまりにも可愛らしくて愛おしい、狂気的でほのぼのとした世界観。
真逆の感想が同時に出てくるカオスな未来、とても魅力的です。
私は何を言ってるんでしょう 笑

堀監督は「3部作」の構成で考えているようで、いつの日か続編もありそうです。
今度は制作人を増やしてもらって早く完成させてほしいです 笑

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